就農セミナーに行ってきました。

本日、池袋で開催された農業EXPO2018に行ってきました。

転職して3年を経過しましたが、今後の目標は50歳までに資金をためて、就農してVターンを目指すものです。

そのための試行として市民農園をかりて試行錯誤をしているわけですが、実際に50歳になるまでに何をすべきか、また50歳になってからの就農にはどんな道があるかを聞きに行きました。

 

<導入部>

まず何をすべきか分かりませんので、何でも質問コーナーにいきました。

私の場合は既に歳をくっており、かつすぐ就農する予定もありません。

下記の前提で相談してみました。

 

・農業の開始は50歳になってから。

・嫁の協力は得られないので、1人で作業する前提

・農業開始時の資本金は2000万円

・手取り300万円は稼ぎたい

 

どう考えても農業をなめ腐っている内容ですが、対応にあたった方は真摯に相談にのっていただけました。

 

そこでまず言われたのが、45歳までに就農しないと国の補助金が受けられないというものです。

夫婦あわせて200万程度を5年にわたって給付できるものではありますが、たかだか1000万円のために準備無しで就農しても、その後の生活に対するリスクヘッジが聞きませんので、ここは無視します。

ただ、45歳以上でも受けられる給付金があるようで、またハウス等の設置にあたる部分も新規就農時には4~5割の給付を受けられるとありました。

たとえば4000万円の設備を整える場合、2000万円を補助でまかなえることになりますので、これは非常にありがたいです。

 

あとは、何を育てるかにより地域が自動的に決まってしまうので、まず地域を決めて作物を選択するか、逆に作りたい作物から地域を選ぶかの選択になるようです。

今のところはこの部分も漠然としたイメージすらありませんので、まずは作物か地域をきめるところからはじめることが必要と分かりました。

 

あと、具体的な補助や作物などは県によって違うから、まずは移住が可能である県からブースを訪れてみるとよいとアドバイスを受け、早速、各都道府県のブースをめぐりました。

 

<ブース別>

●北海道

まず農業で思いつくのは北海道、ということで、冒頭の条件で相談してみたところ、担当の方は渋い顔をされていました。

まず北海道で50歳から農業を開始する場合、酪農に関しては初期投資と体力の面から困難とのことで、畑作に限定されます。

また畑作にするにせよ、十勝のような大規模農場の場合、良い圃場は大規模農家がドンドン吸収していくため、新規参入者は不便な圃場しか得られないというものです。

なので、もし北海道で就農をする場合は企業勤めを進められましたが、もともと脱サラをする大前提ですので、これも難しいです。

なので、北海道で50歳からの新規就農に関しては困難ということが分かりました。

 

●青森

続いて青森でりんご、ニンニクについて相談してみました。

まずりんごに関しては、手取り300万円を取ることは可能ですが、1人では不可能とのことでした。

親切にも計算していただきましたが、300万円を得るためには2ヘクタールの圃場で450本の樹木を栽培する必要があるようです。

450本の樹木に対し、摘花は2ヶ月?以内に実施する必要があり、収穫もりんご箱2000個を想定した作業になるようで、そもそも1人で回せるものではなさそうです。

どうしても繁忙期は集中してしまうため、単一品目で300万円ということはかなり難しいということが分かりました。

一方のニンニクですが、植え付けと収穫は機械化ができるとのことで、また栽培に関しても水遣りなどを気遣う必要もありませんので、ここだけ聞くと大規模な圃場で展開ができるように思えます。

しかし問題は種が手に入らないこと。

人気のホワイト6片の種は、高ければ1個1000円、安くても数百円の価格となります。それでも大きな農家さんの人気の的で、新規参入者に入れる余地があまりないようです。

また、線虫のリスクがあり、もし線虫が入り込んだ種があった場合、その畑ではニンニク栽培はできなくなります。

消毒することもできますが、土作りからリスタートになるので、必然と植えつけようの高い種を購入する必要があるようです。

ただ、幸運にも農家として開始する場合、ニンニクは比較的に収益率が高く、作業負荷も少ない作物とのことでした。

必要な設備も換装室、納屋、トラクターなどの機器、あわせても500万程度でそろえられるようで、新規参入にあたっての負荷は少ないようです。

うーん。やってみたい。

 

 あと、猛烈に薦められたのが青森でブランド化しているカブの栽培。

単独で2000万円の売り上げをたたき出すことも可能とのことですが、面白いのがスケジュール。

繁忙期(収穫期)の5~8月?になると、深夜0時に起床して収穫を開始し、夜8時に睡眠とのこと。

つまりは繁忙期に20時間労働すれば2000万円を売り上げて、冬場は温泉に浸って過ごしているとのことでした。

青森は酸ヶ湯とか良い湯質の温泉場があるので、体力があれば魅力的です。

ただ、50を過ぎた自分ができたとしても、せいぜい数年が限界でしょう。

体力が持ちませんので、出荷で運転しているときに交通事故を起こしてしまうのが関の山でしょう。

 なので、魅力的なお話ではありますが、これは私には向かないでしょう。

むしろ20台後半から30台後半であれば2徹くらいはできたので、昔のじぶんであればできたかもしれませんね。

 

また、こちらのブースでは経営についての話もでました。

1人で300万円の利益という前提で話をしていたため、野菜別で必要なコスト、時間を計算した資料をいただきました。

結果としては、効率の良い野菜を、人員を雇って生産する方式がもっとも楽ということになり、実際に話をしたりんご農家さんも固定で5人の従業員を配置し、弘前大学の近くということもありバイトは20人程度を繁忙期に雇うようです。

現状では人員確保が難しいとのことですが、そちらの農家さんはうまく学生さんを取り込むことに成功しているので、人手不足ということはないようです。